高知県有機農業研究会とは

高知県有機農業研究会とは

本会は2005(H.17)年に結成され、翌年3月NPO法人の認証を得、同年11月にJAS認証機関ともなりました。この6年近い期間においての活動を振り返りますと、当初より5年間は会の財政的観点からも、JAS認証を主体にした活動でありましたが、認定件数の伸び悩みがあり、生産者拡大の基本や販売面での弱さを抱えていました。

有機の普及活動としては、2008年オーガニックマーケットの主催者としてスタートにかかわり(現在は独立)、2009年には高知市の有機市民農園の造成や栽培指導の委託を受け、それらは順調な経過をたどっております。

2011年より生産者・消費者のどちらにも味方しない第三者機関たるJAS認証部門が分離独立することになり、本会もいままで規制されていた生産へのコンサルタントや販売斡旋活動が可能となりました。有機農業推進の活動が自由にできる環境になりましたので、初心に帰っての再スタートの気持ちです。

3.11の原発事故を受け、放射能の危険性はもちろん始末ができない放射性廃棄物や、元に戻せない遺伝子組み替えの植物の広がりなど最終結果に責任が取れない科学技術が経済的利益のために用いられることへの苛立ちを感じます。

私どもは何千年来この大自然の循環の中で生命を受け継いで来ました。私たちの身体はその地域の食物により維持され、精神文化も作られてきました。自然に抱かれた長い人類史の中でほんの一瞬の現代において化学肥料・農薬をはじめ食品添加物など科学的に合成された物が体内に取り入れられております。歴史ある生体が病気として抵抗を示すのは当然のことと考えます。アトピーや最近の大腸における難病など生態機能障害に陥った病気の多発が見られます。それらを受けて安全な食べ物に関心が高まり、有機農業も市民権を得てきていますが、大自然を敬った暮らしからはまだまだ程遠く感じます。

私ども生き物には長い過去と共に永遠の未来があります。

未来を考えない欲張りな放蕩息子のようなものが幅を利かす社会の価値観が見直されること求め、自然の恵みに感謝し、その教えを享受しながら心豊かに暮らしたいものです。

自然を大切に思い、自然を相手に生きる農家や消費者の多くなることを願い、生産・流通の活動を広め且深めていきたく考えております。心ある人々のつながりを強めようではありませんか。

2011年9月
一期目理事長(~2015年度) 田中徳武

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